各クラブメーカーは飛距離を求めて、長尺のドライバーを販売する傾向がありますが、
プロの世界では逆に短尺ドライバーが流行っています。
「短尺にすると飛ばない」
というイメージがありますが、実際はどうなんでしょうか。
また、プロがわざわざ短尺のドライバーを使うのには当然理由があります。
そこで、短尺のドライバーにはどんなメリットがあるのかを紹介します。
短尺ドライバーとは?
短尺ドライバーとはその名の通り、長さの短いドライバーのことです。
通常、ドライバーは45インチ前後の長さです。
42〜44インチ程度のものを短尺と呼びます。
3Wが43インチ程度なので、3Wと同じくらいの長さになりますね。
最近ではプロも短尺ドライバーを使用していたりします。
USPGAではリッキーファウラー選手が43.5インチのドライバーを使ったり、
ジミーウォーカー選手が42インチのドライバーを使ったりしていますね。
短いドライバーで軽々300ヤードオーバーのショットをするので、化け物ですね笑
短尺ドライバーのメリット・デメリット
短尺ドライバーにはメリットもあれば、その裏返しでデメリットもあります。
短尺ドライバーのメリット
ミート率がアップする
長さが短くなれば、その分芯で打てる可能性が高くなって、
ミート率(スマッシュファクター)が上がります。
ミート率の計算式は、
ボールスピード ÷ ヘッドスピード = ミート率
で、理論上ミート率は1.5が最大と言われています。
シャフトが短くなれば振りやすくなって安定したショットが打ちやすくなります。
ドライバーより3Wでの方が安定したショットを打ちやすいのと同じ原理ですね。
(もちろん、ロフト角の違いもありますが。)
クラブの長さが短くすることで、飛距離・報告性ともに安定するようになります。
ミート率が上がることで、平均飛距離が伸びる可能性があります。
曲がり幅も小さくなってOBやラフに行く可能性も下がりますし、
フェアウェイキープ率上がります。
コースの良いポジションから2打目が打てるようになるので、
スコアアップにも繋がります。
短尺ドライバーのデメリット
最大飛距離が落ちる
クラブが短くなれば、スイングの回転半径が小さくなって、ヘッドスピードが落ちます。
短くなることで、シャフトが硬く感じたり、球が上がりにくくなったりもします。
そうなると、ミート率が上がったとしても、MAXの飛距離は落ちてしまいます。。。
ゴルフの魅力の一つはやっぱり飛距離ですよね。
会心の一打でめちゃくちゃ飛んだという経験があなたにもあるのではないでしょうか?
短尺ドライバーでは安定して飛ばせるので平均飛距離は伸びるかもしれませんが、
通常の長さのクラブに比べて最大飛距離は落ちてしまうことが最大のデメリットですね。
競技志向のプレイヤーは常に安定した飛距離が出る方を好みますが、
エンジョイゴルファーにとっては飛距離のロマンがなくなってしまいます。。。
どうやってドライバーを短尺にする?
ドライバーを短尺にする方法はいくつかあります。
シャフトをカットする
シャフトをカットするのが定番の方法ですね。
ゴルフショップに短尺にしたいドライバーを持ち込めば、
クラフトマンがシャフトをカットしてくれますよ。
また、重量やクラブバランス等、クラフトマンに相談しながら
最適なクラブに調整できるのも良いですね。
ただし、当たり前ですがシャフトをカットしてしまったら元には戻せませんので
短尺にする時はよく考えてからにしましょう。
FW用のシャフトを使用する
テーラーメイドやキャロウェイ、ピンのように
ドライバー用のスリーブと、FW用のスリーブが同じであれば、
カチャカチャでドライバーに3Wのシャフトを差し替えれば出来上がりです。
自分でシャフトの差し替えをすれば良いだけなので手軽ですね。
ただシャフトを差し替えただけだと、クラブのバランスが落ちてしまったりするので、
そのままでの使用はおすすめ出来ません。
(テスト的になら良いかもしれませんが。)
短尺に適したクラブにするため、重さやロフト角、フェースアングル等の調整は必要ですね。
最初から短尺のドライバーを購入する
テーラーメイドのオリジナルワンミニドライバーのように、
最初から短尺ドライバーとして設計されたクラブも少数ながらあります。
クラブを買わなくてはいけないので、お金はかかりますが、
短尺として適したクラブが手に入りますね。
ドライバーを短尺にする時の注意点
ロフト角について
シャフトが短くなると、打ち出し角が下がるので、通常の長さのクラブで使用している
ロフト角より少しロフトを寝かせた方が適正な打ち出し角になります。
最近のクラブはロフト角の調整もカチャカチャで出来るので、
1〜2度程度ロフトを増やしましょう!
また、ヘッドスピードによって最適な打ち出し角は変わってきます。
- ヘッドスピードが40m/sであれば、打ち出し角14度
- ヘッドスピードが45m/sであれば、打ち出し角12度
が推奨されている打ち出し角です。
(スピン量によっても多少変わってくるので参考までに。)
打ち出し角の1度の違いはかなり大きいので、気を付けたい所ですね。
クラブフェースの向きについて
最新ヘッドはつかまりが良く、右に行きにくい重心角になっています。
そして、標準の長さ(45インチ程度)で使用するように設計されているので、
クラブが短くしたら、更につかまりが良くなって、左に飛ぶようになることがあります。
その場合はクラブフェースのアングルをオープンにして調整する必要があります。
最近のクラブはカチャカチャで手軽にフェースアングルも調整可能ですし、
最適なフェースアングルを見つける必要があります。
シャフトの硬さについて
シャフトを短くして、ヘッドの重量を重くすると、同じシャフトならば、
シャフトは柔らかくなります。
シャフトの硬さは飛距離や方向性に大きく影響するので、
短尺ドライバーには通常使用するものより硬いシャフトを使うべきです。
また、シャフトのチップ(先端)をカットすれば固くなるので、チップカットの手ですね。
クラブバランスについて
通常の長さのドライバーのシャフトをカットして短尺にすると、
クラブバランス(振った時に感じる重さ)は落ちます。
クラブバランスが落ちると振りやすくはなりますが、クラブの重さを感じるのが難しくなります。
だからといって、元と同じクラブバランスにするのが良いとも限りません。
クラブバランスを上げるにはクラブの重量重くする必要があるので、
単純に重くすればその分ヘッドスピードが落ちてしまうからです。
逆に軽過ぎてもダメなので、少しずつ重さを挙げて、クラブバランスを調整して、
そのクラブに最適なクラブバランスを見つける必要がありますね。
FW専用のシャフトを使う場合
シャフトメーカーでは、ドライバー用のシャフト以外に、FW用のシャフトもあります。
3Wと同じくらいの長さにするなら、FW用のシャフトを使うという手もありますが、
注意が必要です。
ドライバー用とFW用の違いは、同じ重さの表記だとしても若干重たくなっていて、
チップの強度を増していることが多いです。
ドライバー用のシャフトと同じ感覚で組み上げてしまうと、
全然合わないスペックになる可能性もあります。
また、ドライバー用とFW用では同じシャフトでもFW用の方が
値段が安くなっていることが多いです。
お財布に優しいのはありがたいですが、当然理由があります。
シャフトメーカーによると、FW用の方をドライバー用より安価にするため、
素材の質が違うらしいです。
そのため、より良いクラブに仕上げたいのならばドライバー用のシャフトを使った方が
ベターですね。
まとめ
ドライバーを短尺にすると、最大飛距離は落ちますが、ミート率が上がって、
結果として平均飛距離が伸びる可能性が高いです。
若干の飛距離を犠牲にすることで、曲がりも減らすことが出来るので、
ドライバーショットが飛ぶ代わりにOBを出してスコアを崩すことが多い
プレイヤーにはおすすめですね!
短尺ドライバーは単純にシャフトをカットして短くしただけだと、重さやシャフトの硬さ等、
クラブとしてのバランスが崩れてしまうので、ちょっとした調整は必要になりますが
スコアメイクの大きな武器になってくれること間違いなしです!