「もう少し、アプローチが良ければ100切りも楽に出来るのに!」
なんて考えていた頃、同伴者のバンカー越えのアプローチがとてもかっこ良かったんです。
「バンカーを超えてすぐのピンに対してボールを上げてピタッと止める!」
って上手そうに見えますよね!
私もあんなアプローチしてみたいなって思ってどんなウェッジを使っているのか聞いてみたら、
彼のキャディーバッグにはロブウェッジが入っていたんです。
「ロブウェッジを使えば私も上げて止めるアプローチが打てるはず!」
と思って、ゴルフの帰りに早速ゴルフショップに寄ってみたんです。
そして、気が付いた時には、右手にロブウェッジを握りしめてレジの前に並んでいました笑
ゴルフが発展途上の私がロブウェッジを使ってみた感想とロブウェッジの必要性をお伝えします。
ロブウェッジとは?
ロブウェッジ(LW)というのはロフト角が60度以上のウェッジのことです。
日本ではウェッジといえば、
- ロフト角46度前後のピッチングウェッジ(PW)
- ロフト角52度前後のアプローチウェッジ(AW) (ピッチングサンド P/S)
- ロフト角56度前後のサンドウェッジ(SW)
の3本が一般的です。
ですが、海外では、アプローチウェッジではなく、
ロフト角60度以上のロブウェッジを入れることが多いです。
ロフト角が60度のウェッジと聞くと、驚く方もいるかもしれませんね。
実際にロブウェッジを構えてみるとクラブフェースがほとんど真上を向いている
ような感じに見えます笑
ウェッジのフェースを開いて高く打ち出すショットをロブショットと言いますが、
ロブショットのように高く打ち出せてピタッと止めるショットが打ちやすいの、
ロブウェッジの特徴です。
ロブウェッジはバウンス角が少なめなものが多いため、フェアウェイやラフから
簡単に高い球が打てるためグリーン上でピタッと止めたい場面で有効です。
また、ピンまでの距離が近い左足下がりのライのように普通に打ったらボールが止まらず、
ピンに寄せられないような場面であっても、ロフト角が多いロブウェッジであれば
ボールを止められるので、ピンに寄せられる可能性も出てきます。
そのため、ボギー以上になりそうな難しいグリーン周りの状況からでも
パーセーブ出来る可能性を生み出せます。
もちろん、ロブウェッジを使いこなすには技術も必要ですが。。。
どんな時にロブウェッジを使う?
ロブウェッジはボールを上げたり、スピンをかけたりして止めたい状況で使います。
もちろん、グリーン周りの花道からのアプローチで使っても良いですが、
上げたりスピンで止めたりする必要がない場面であれば
アプローチウェッジやサンドウェッジ等、
もう少しロフトが立ったウェッジを使った方が難易度は下がりますね。
ロブウェッジが有効に使えるのは、
- バンカー越えですぐにピンが切ってある時
- 左足下がりの傾斜でもボールを上げて止めたい時
- 50Y前後の距離でフルスイングに近い打ち方でスピンを効かせて打っていきたい時
等です。
トッププロはこういったボールを止める必要がある状況の時に
ロブウェッジの必要性を感じるんでしょうね。
ピンまで残り50Yの状況で距離を合わせてスイングするよりも、
ロブウェッジで普通にスイングすると50Yだったら、
距離を合わせやすいもの使いたくなりますね。
実際、50ヤードをフルスイングで打ちたいからということで
横峯さくらプロがロフト角70度のウェッジを使っていたこともありました。
プロでもスイングの無しで打った方が確実ということですね!
ロブウェッジのメリット・デメリット
ロブウェッジのメリット、デメリットを紹介します。
メリット
ボールを上げやすい
ロブウェッジはロフト角が大きいので、普通に打つだけで簡単にボールを上げることが出来ます。
もちろん、サンドウェッジでもフェースを開けば、ロブウェッジ と同様に高い球は打てます。
ですが、フェースを開くと必然的にカット軌道になってボールにスライス回転がかかります。
そのため、ランが真っ直ぐに転がりにくくなり、キャリーした後、
右に曲がって転がるようになります。
それに、スライス回転の量によって曲がり具合も変わってきます。。。
サンドウェッジでは目標よりやや左に打ち出して右に曲がって転がる分も
計算して打たないといけなくなります。
(右打ちの場合)
ですが、ロブウェッジではフェースを開かなくても自然に高い球になるので、
ランの曲がり具合の計算がいらなくなります。
真っ直ぐ構えて真っ直ぐに転がっていった方がカップインする確率も高くなります。
つまり、ゴルフがよりシンプルになって楽になるんです。
ゴルフはミスのスポーツです。
当たり前のことですが、難しいことをやろうとすればするほど、ミスに繋がりやすくなります。
難しいことでも完璧に出来るのであれば良いですが、
そうもいかないのでなるべく簡単でシンプルな方法で打った方が
長い目で見ると良い結果が出やすくなります。
特に、わざわざサンドウェッジのフェースを開いて打たなくてはいけないような
シチュエーションは難しい場面の方が多いです。
そんな時によりシンプルに打てた方が簡単ですからね!
スピンをかけやすい
スピンで止めるアプローチショットを打つ時、フェースを開いてロフトを増やしますよね!?
それは、ロフトが多いほど、スピンがかけやすくなるからです。
つまり、ロフトが多いロブウェッジはよりいっそうスピンがかかりやすいクラブ
ということになります。
ロブウェッジはプロのトーナメントのような止まりにくい高速グリーンでも
スピンで止めやすくなります。
そのため、難しいコンディションのコースほどロブウェッジがスコアメイクに活きてきます!
ウェッジショットは単にスピンが多く入れば良いというものでもありません。
ピンの手前にキャリーしてバックスピンで戻ってしまったりしたら意味が無いですからね。
ですが、スピンがしっかり入るウェッジを
スピン量をコントロール出来るゴルファーが使えば、鬼に金棒です。
グリーン周りのスピンをかけたい場面ではしっかりとスピンを入れてグリーンに止めたり、
スピンをあまりかけたくない場面ではスピンを落として適度にランが出るようにしたり
出来ますからね。
スピンをかけやすいということはアプローチの技術をより使いやすくなるということですね!
デメリット
ミスをしやすい
サンドウェッジ以上にロフトが付いているので、適切な位置にクラブヘッドを入れられないと
下をくぐってダルマ落としのようになってしまったり、
逆に下をくぐるのを嫌がってトップしてしまったりとミスが出やすいです。
また、ロブウェッジはバウンス角も少ないので、ダフリのミスにも弱いです。
バウンス角が適度にあれば、多少ダフリ気味にクラブが入っても、
バウンスの効果でロフトが立って当たるのでダフった分飛ばないということにはならず、
それなりに飛んでくれます。
ですが、バウンスが少ないと、ダフリがしっかりとダフリのミスとして出てしまうので、
クラブの入れ方がかなりシビアになります。。。
距離感が出しにくく、ばらつきが大きくなる
基本的にランニングアプローチの方がロブショットより距離感を合わせやすいですよね1?
ランニングアプローチは打ち出しを低くするために、ロフトの立ったクラブを使ったり、
ウェッジのロフトを立てて打ったりしますが、
ロフトを立てて当てた方がインパクトの感覚が分かりやすいですし、
多少芯を外しても距離のばらつきが少ないので距離感が合わせやすいです。
ですが、ロブショットのようにフェースを開くと打ち出しが高くなりますし、
芯を外してしまって当たる場所によってはキャリーの距離も大きく変わってくるので、
距離感を合わせにくくなります。
ロブウェッジはロブショットのようにフェースを開いた状態で打つようなものなので
距離感が難しくなります。
それにフルショットするとスピンもしっかりかかるので、思った以上に戻ってしまったりします。
バックスピンで戻すことが必要な場面では強い武器にもなりますが、
スピンの計算が難しいので、ナイスショットしてもスピンバックしてしまって案外寄ってない
なんてこともありますね。
ロブウェッジの必要性は?
ロブウェッジの最大の利点はロフトが大きいため、高く上げて止まる球が打ちやすいことです。
そのため、バンカーや池などのハザードを超える必要があって、
ボールを転がして寄せられない状況で、効果を発揮してくれます。
また、ラフからのショットはスピンが効きにくく、グリーン上で止まりにくいため、
ロブウェッジで高く打ち出すショットが有効です。
ロブウェッジは大きくしっかり振っていっても飛ばないので、緩まず振っていけますし、
ピンが近い逆目のライのようにしっかりヒットしたいけど、飛ばしたくない状況でも
寄せられる可能性が高まります。
ロブウェッジの必要性を感じるのは、やはりボールを止める必要がある状況ですね!
アマチュアゴルファーにロブウェッジは不要?
ロブウェッジはかなりシビアで難しいためミスをする可能性も高いので、
確実にスコアを作っていきたい初心者ゴルファーやエンジョイゴルファーには不要だと思います。
安定してクラブの芯でヒットする技術がないと、ロブウェッジを使っても
距離感が合わずスコアメイクに貢献するどころかむしろスコアを崩す原因にもなりますからね。
それにロブウェッジが活きる場面は基本的にはピンチな状況です。
グリーン奥の左足下りの状況からエッジからあまり距離がないピンを狙っていかないと
パーが取れないなんて状況で、ピン側にボールを止めるためにロブウェッジを使います。
初心者ゴルファーやエンジョイゴルファーはこういう場面では、無理にピンを狙っていくと
チャックりして同じような所からまた打たなくてはいけなくなったり、
飛びすぎてしまってグリーンオーバーしてしまったりと
様々なミスをしてしまう可能性があります
もちろん上手くピンに寄せられる可能性もありますが、
ミスする可能性よりずっと低いですね。。。
それであれば、ピンをオーバーしてもいいからとりあえずグリーンに乗せて2パットで収める
くらいの気持ちでいった方が変なミスをしないので確実にスコアがまとまります。
そのため、難しい状況からパーやバーディーを狙わない方が長い目で見ると
結果としてスコアは良くなるので、ロブウェッジが無くても問題ありません。
ですが、アマチュアゴルファーでも競技志向のゴルファーはロブウェッジを
バッグに入れることを検討しても良いかもしれません。
USPGAツアーでは厳しいコンディションのコースが多いため、
ロフト角60度以上のロブウェッジをバッグインしている選手が多いですが、
JPGAツアーではロブウェッジを使っている選手はあまり多くありません。
プロですら使わないということは、日本のコースではロブウェッジは
無くてもどうにかなるということですね。
ただ、競技に出場するレベルであったり、ゴルフの技術向上のモチベーションが高い
ゴルファーであれば、ロブウェッジが使いこなすようになれますし、
必要になる場面もあります。
競技志向のゴルファーはそもそもの練習量やラウンド数が
一般アマチュアより遥かに多いですし、スコアメイクにはアプローチが大事なので、
アプローチもしっかりと練習しています。
そのため、技術的にもロブウェッジを使いこなせますし、
まだ使いこなせなくとも使いこなせるようモチベーション高く練習するはずです。
また、競技ではいかにパーを拾えるかが大事になってきます。
日本のゴルフ場でも、難しいグリーン周りのシチュエーションはありますし、
そんなところからでもパーを取るためにピンを狙っていかなくてはいけないことがあるのが
競技ゴルフです。
ピンチの場面を切り抜けるためにロブウェッジじゃないと厳しいこともあるので、
競技志向のゴルファーはロブウェッジを入れるのはありですね!
ロブウェッジの使い方は?
ロブウェッジはロフト角が多く、バウンス角が少ない特性があります。
フェースが上を向いているため、ボールのコンタクトが難しいですし、
ロフト角が50度を超えるとフェース面をボールが滑るという現象が起こります。
また、バウンス角も少ないので、ダフリがはっきりダフリとして現れます。
そのため、適正な入射角で正確にボールをヒット出来ないと
距離のブレやボールの高さのブレに繋がってしまいます。。。
ロブウェッジを使う時はシンプルに考えてシンプルに打つのが良いです。
ロブウェッジは最初からロフトしっかりと付いているので、
フェースを開く等の小細工しなくても効果を発揮してくれます。
オーソドックスな打ち方をするだけでクラブがボールを高く上げてくれますし、
スピンも効いてくれます。
また、プロでも芯を外してしまうことだってあります。
アマチュアであれば尚更です。
ロブウェッジは打点のズレが非常に敏感なので、
多少打点がずれて距離がバラけてしまうのは許容しましょう。
ロブウェッジはバンカーでも使える?
せっかくロブウェッジをバッグインするなら、バンカーで使えるかは重要ですよね!
結論から言えば、ロブウェッジはバンカーショットで使えますが、
バンカーショットが苦手な方にはおすすめ出来ません。
というのも、バンカーショットで大事なのはウェッジのバウンスです。
バウンスを使うことで、簡単にエクスプロージョンショットが出来ます。
そして、バウンス角が大きいほどバンカーショットは優しくなります。
ですが、ロブウェッジはバウンスが少ないものが多いです。
そのため、かなりフェースを開かないとバウンスが効きません。
ただ、砂を薄くとってスピンを効かせるバンカーショットはしやすいですし、
ロフトの多いので、グリーン近くのアゴが高いバンカー等では強力な武器にもなります。
グリーン手前のバンカーでアゴが高い状況で、しかもピンは手前に切られている状況では
高く上げてランを出さずに止められるロブウェッジ じゃないと寄せにくいですね。
また、ロブウェッジはロフトが多いので、それなりに振らないと
しっかりと距離を出すのは難しいですし、かといって無理に飛ばそうと振ってしまって
ミスして大オーバーなんてこともありますのでなかなか扱いが難しいです。。。
ですが、バンカーショットが得意な方であれば、技術をフルに使えますし、
難しい場面で有効に使えますが、バンカーショットが苦手な方は
無理にロブウェッジを使うよりバウンスの多いウェッジを使った方が
簡単にバンカーショットが出来ますし確実にバンカーから脱出出来ます。
実際にロブウェッジを使った感想
すぐにかっこつけたくなる私はロブウェッジをキャディバッグに入れてみたことがあります。
パー5の3打目、残り50Yのバンカー越えのシチュエーション。
グリーンは固く速くなっていて、しかもピンは手前に切られている。
まさにロブウェッジを使うのに打ってつけの場面でした。
フルスイングに近いショットでしっかりと芯でヒットしたボールは
ピン横1.5mへキャリーして、ランはほぼゼロで止まりました。
その日、初のバーディーチャンスに付きました。
実際はバーディーパットを外してパーだったのですが、
「これは使える!」
と思い、その時はロブウェッジの必要性を感じました。
ですが、全てが良いことばかりでは無かったんです。。。
同じような50Yくらいの距離でピッタリ止めたい場面でも、ちょっと打点がずれると、
ボールの下をくぐってとだるま落としのような感じになってしまって、
飛距離が20Yくらいしか飛ばずグリーン手前のバンカーに入ってしまったり、
更に悲惨だったのはトップした時で、フルショットのトップだから
ライナーになって思いっきり飛び過ぎてしまって、グリーン奥のOBへ一直線
なんてことこともありました。
上手くハマることもあれば、全然ダメなこともありましたが、
平均したら上手くいかない確率の方が高かったですね。。。
ロブウェッジは上手く使えるとかっこいいけれど、
やはり扱いが難しく、その時の私には使いこなせませんでした。。。
いずれはロブウェッジを使いこなして、ビタビタ止めるかっこいいアプローチを
してみたいものですね。
まとめ
ロブウェッジは
ロフトが多いため、打点のズレにシビアでミスの確率は上がるけど、
ボールを止めにくい状況では強い武器になってくれます。
打点が安定しない初心者等はなかなか使いこなすのは難しいですが、
厳しい状況からでもパーやバーディーを狙っていきたい競技ゴルファーは
検討しても良いと思います。
グリーン奥の左足下りの傾斜でピンが近い場面等、
「そこからじゃ絶対止まらないし寄らないだろ!」
というところからフワッと上げてピン側にピッタリ寄せたらかっこいいですね!
グリーン手前の花道等、寄せやすい状況であれば、ロブウェッジではなく、
アプローチウェッジやサンドウェッジで打った方が確実なので、
ロブウェッジを使う場面はピンチの状況が多いので使う頻度は多くないかもしれません。
ロブウェッジを入れても、キャディーバッグの中が14本を超えない方であれば
ロブウェッジを入れておいても良いかもしれませんね。
ロブウェッジのアプローチやショット自体が良い練習になりますし、
USPGAツアーの選手みたいでかっこいいですからね。